複数の人工衛星と地上局が同時に通信可能位置にある場合の混信について
ここではX-bandの通信の場合についてお答えします。
複数の人工衛星が同一の周波数を使用して地上に送信している場合でも、地上側が混信によって通信問題が生じることは非常に少ないです。
弊社製のX-bandアンテナのビームの半値幅は約1°です。非常に狭いメインビーム幅内に人工衛星を捉えられるように制御していますので、
メインビームから外れる部分に他の人工衛星からの信号があった場合でも、その影響は無視できるほど小さいのです。
画像:www.nasa.gov/images/content/470973main_cloudsat20100723a-full.jpg より引用
アメリカが運用する地球観測衛星AQUAとAURAはA-Trainと呼ばれる同じ軌道面に投入され、非常に接近した位置で、なおかつ同じ周波数で
送信していますが、地上では混信することなく両衛星のデータを取得出来ます
(この衛星は必ず受信競合をするので、地上のアンテナは2基同時に使います)
※アンテナのビーム幅1°は、35mmフルサイズ★のレンズ交換式カメラに焦点距離2400mmの望遠レンズを装備した場合とほぼ同等の画角です。
アンテナは、非常に視野が狭い望遠鏡で人工衛星を撮影しているのと等価なので、目標物周辺のその他のものは視野に入らなくなります。
★:撮像素子サイズ24.0[mm]x36.00[mm],対角線画角の場合