TDMA信号の解析

信号源とAC-SA1を上図のように接続します。
AC-SA1の記録中心周波数ををDECT方式のパスバンド周波数1.896GHzに、記録する周波数帯域幅を10MHzに設定します。
つぎに、解析に必要な時間分のパスバンド信号を記録します。IFデータは[Signed Integer X 2] データ形式で保存されます。
AC-SA1で記録されたIFデータファイルを再生して、パスバンド周波数1.896GHz、周波数帯域幅10MHzの信号として再生して解析を行います。

この動画は、AC-SA1を使用してTDMA信号(DECT方式のワイヤレス電話システム)の信号を解析した例です。
パスバンド信号をAC-SA1で記録し、これを同一のパスバンド周波数で再生したものをFFT方式のSpectrum Analyzerで観測したものです。
TDMA方式の信号をFFT方式のSpectrum Analyzerで観測する場合、この動画のように、正しいスペクトラムを表示することができません。

時間的に不連続な信号は、Spectrum AnalyzerをMaximum Hold モードにして最大値を合成する方法が有効です。
しかしながら、掃引のタイミングとFFT処理のタイミングが一致しない場合、正しいスペクトラム形状を表示するまでには
多くの観測時間が必要です。AC-SA1を使用して同じ信号を繰り返し再生をすることによりFFT方式のSpectrum Analyzerでも
正しいスペクトラムエンベロープを表示することができます。

 

時間的に不連続な信号の解析では、変化する信号を確実に捉えることが求められます。このような場合、Realtime Spectrum Analyzerが有効です。
この動画では、パスバンドにどのようなTDMA信号が送信されていたのかがよく分かります。
 非常に便利なRealtime Spectrum Analyzerですが、広帯域の信号を観測する場合などは、観測帯域幅の不足が問題になることがあります。
このような場合はAC-SA1の再生機能を使い、観測対象の周波数を変化させて複数回解析することによって、広帯域の信号解析を実現します。